2023/03/06 10:00


暮らしの中で愉しむ”時”の贈り物 ヴィンテージガラス

昔のていねいな暮らしを伝えてくれる生活雑貨。特についつい目に留まってしまうのはクリスタルガラスです。


ワイングラスから始まりシェリーグラス、シャンパングラス、クーペグラス。デカンタにピッチャー。花瓶にフルーツコンポート。そして
ジャムポットやドレッシングポットやキャンディポット、調味料入れなどアンティークガラスには一味違った温もり感のある可愛らしいものがいっぱいです。テーブルセッティングのなんたるかはよくわからないけど、クリスタルガラスがあるだけでテーブルが一気に華やかな印象に。ハンドカットされた高級なクリスタルじゃなくてもいいんです。ダイヤモンドカットプレスのガラスがあるだけで嬉しくなります。


ガラスの始まりはとても古く、ローマ時代には吹きガラスの技法で量産されていたというので驚きます。

中世時代にはヴェネチアのムラーノ島のヴェネチアンガラスがレースガラスやミレフィオリガラス、ダイヤモンドポイント彫り、エナメル装飾などデザイン性の高いガラスが作られ世界の憧れの的となりました。ヴェネチアのホットワークと言われる技法で作るやわらかいソーダガラスは繊細で壊れやすいものでした。海のガラスと呼ばれるソーダガラスには食塩から作るソーダ灰は欠かせないもので、

13世紀頃ステンドグラスを作るため輸入に頼っていた神聖ローマ帝国は輸入に頼らず自国でガラスを作る原材料を作り出し、ブナから作るカリ石灰で森のガラス、カリガラスを作る事に成功しました。コールドワーク技法で作る固いカリガラスはガラスをひっかいて絵付けする事が可能で、このエングレーヴィング技法でボヘミアグラスの芸術性と独自性を確立していき、ルネッサンスからゴシック期に入るとボヘミアングラスが世界の中心となっていきました。

王侯貴族のみが保有できる高価なガラスは17世紀後半にカリ石灰を輸入に頼っていた英国が独自に鉛を含んだクリスタルガラスを開発します。産業革命により型に入れて成型するプレスガラスが大量に生産することが可能になりガラスは庶民の日常の中へ浸透していきます。
ヴィクトリア時代には多種多様のガラスの生活雑貨が作られティータイムに欠かせないものになりました。

英国のアンティークガラスは形も用途もさまざまで見ているだけでわくわくします。もちろん実用品としてお使いいただけます。
手作りジャムやクッキーをヴィンテージのガラスの瓶にいれたり、買ってきたキャンディーや茶葉など移し替える時間も楽しいものです。
ゆったりとした時間がすごせるのもヴィンテージが与えてくれる大きな魅力のひとつです。
Brocante307ではそんなガラスの器なども紹介していく予定です。